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April 06, 2008

桜を愛でて

 桜が今を盛りと美しく咲き匂っています。

 春っていいですね。
 春に生まれた為か、春というだけで幸せな気持ちになります。
 でも残念なのは、かつて感じた夕闇の中で甘い匂いが全身を包み、体を溶けさせていくような優美な気だるい春の空気が無くなったことです。
 これこそ確かに温暖化の影響だと思わずにいられません。
 それはあなた自身が変わったのです、今までに感じていた微妙な風の揺らぎ、空気の流れや甘くやるせない香りを受けとめる感性がなくなったのではないですか、とおっしゃる方もいます。
 でも私が変わったのではなく、確実に自然が移ろっているのです。
 あの甘く切ない体が溶けていくような、やる瀬ない空気に委ねたいと願っているのです。

 人はあの美しい桜を何回見ることができるのでしょうか。
 百歳生きるとしても百回しか見ることができないのです。
 その事に想いを寄せると、私は一瞬一瞬が愛おしく、今年の桜をしっかり目に焼き付けたいと思わずにはいられません。
 若い日にはそんな事に想いを馳せないのですね。
 私も若い日を思い起こす時、誰とどんな魂の揺らぎの中で花を見たのか思い出せません。
 思い出せない程、桜よりもその時々の青春のひとコマひとコマが光輝いていたのかすら、思い出せません。
 私は寒い日に毅然と咲く梅も、凛として気品を漂わせ、時として緊張感を持つこともありますが、やはり何よりも、これでもかという程、絢爛豪華に咲き匂う桜が大好きです。
 あの華やかさは他にはありませんもの。
 年を重ねるという事は良いこともあります。
 一瞬一瞬の時を大切にしていく心が芽生えますから。
 春にふさわしく未来に希望を持って明るく生きていきたいと願う日々です。
 
 時間があれば私は桜を見に街をうろついています。

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